みなさん こんばんは
当農園では田植え前の草取りが続いています。
いつも あめのめぐみ を作付けしていた一反の小さな田んぼ。
ここ2年くらいあえてあまり草取りをせずに様子を見ていたところ、やっぱり大変なことになってしまっていました。、、
これは手を入れねばと、生えまくるホタルイをコツコツと順に処理していきます。

使う道具は「苗運び用の一輪車」「雪の上で遊ぶソリ」「買い物カゴ」「三角ホー」「けずっ太郎」等です。
培った野菜栽培の管理技術を稲作にも応用です。

田んぼの雑草ではコナギと並んで稲の成長を阻害するアレロパシーが強めの強雑草です。
写真は一通り全面を処理してきて、最後の一区画に入ってきた段階です。
大きいのが前年に発芽し田んぼに残った冬を越した、成長点が地中に残った多年草化したホタルイです。
水面に浮いているのが今年5月に一斉に発芽した子達で、この大きな株が落とした無数のタネから発芽しました。

もしそうなってしまうと、そこは稲が生育する場所ではなくなり、田んぼとしては完全に終わってしまいます。
そうならないために今の段階で田んぼ表面を削って芽吹いたホタルイの子供達を水に浮かせます。ホタルイは葉っぱが長細く、葉っぱの中に空気を沢山含んだ構造になっていて、根っこを地面から剥がすとこうやって浮いてくれるんです。そこで再び地面に根が付かないように深水キープすればこの子達は枯れて無くなります。

このまま全部生えていたらと想像するとゾッとしますが、膨大に生えていた子たちがこうやって作業後に浮いてくるのは結構気持ちが良いものです。
ホウキやブラシで掃除しているような感覚かな・・めちゃくちゃしんどい作業ではあるのですが、なんだか楽しいのです笑

この時注意するのが、必ず葉と根の間にある「成長点」を地中に残さず取り切ることです。ホタルイは強靭でいくら葉っぱを取ったとしても、この成長点さえ地中に残っていればいくらでも再生して復活してきます。不耕起田は地面が硬いので、前年から残ってしまっている大きな株は手で抜けない事が多く、アスパラ鎌で処理していきます。大きな株を鎌で地面ごと切ったら、その後ダメ押しで株周辺の小さな芽吹いた子たちを浮かす目的で株周辺の地面をアスパラ鎌で削ります。これで完璧。


というわけで!
寝ても覚めてもどこかしらで生き物と相対し、お世話をし続けている農園主の日常ですが、
とにかくやればやっただけ、目に見えて物理世界の変化があるのがこの仕事を続けていて楽しいところなのであります。
田んぼでは目に見えて小さい単位から大きな単位の生物が活性化する時期に入ってきました。
最終形態の鳥たちも沢山田んぼに飛来して田んぼに巣を作ってくれている子達も出てきています。
週が明けると、いよいよ田植えが始まります。
稲が無事に田んぼに根をおろしたら、私の大好きな初夏の到来です。
ウキウキ。ワクワクは続きます。

農園主