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仕込みの仕込み

みなさん こんにちは

5月の畔草刈りもここに来て終盤にさしかかってきました。

緑米の田んぼには、畔草に黄色いお花が咲き乱れ、風にたなびくその姿があまりにも可愛かったので、今日はそこは刈らずに残しておきました。きっと田んぼの周りをお散歩される村内の方々や、車で横を通られる人たちにも、きっとこのほうがいいのではないかと思いました。

今日のコシヒカリの田んぼにはいつものギンヤンマに加えて、ナツアカネらしき真っ赤な赤とんぼも沢山産卵に来ていました。

やっと田んぼの発酵と春草の消化も本格化してきましたよ。

今年は少し消化が遅めな感じですね。

湛水はじめの嫌気性がつよめの初期の田んぼは腸内環境と酷似しています。

日差しが強くなり温度も上がってくると、水深があっても光合成細菌が活発化してきて、彼らによって嫌気性菌が生み出した毒素は無毒化され水中の溶存酸素も増えてきて、水辺の生き物達が小さな単位の生き物から順に活性化するようになってきます。

水没した春草の発酵と消化がどんどんと進み、ユスリカやイトミミズ達の表面耕起の活動とも合わさって、田んぼの土の表面が柔らかくなってきたら不耕起田は田植えの時を迎えます。

でも雑草の上に稲を植えてしまっても勝てないので、厄介な多年草と成長の早いアレロパシーが強目のコナギやホタルイをあらかじめ田んぼから除去しておきます。

それが畔草刈りの後、来週からは始まる田植え前の田んぼの中の第一回目の草取り作業です。

草取りにはとても繊細な知的センスが必要で、なんでもかんでも片っ端から除去してしまってはちょっと寂しい残念な田んぼになってしまいます。

私は稲の成長をそこまで阻害しない、ゲンゴロウ達の貴重な産卵床となる畔側の「セリ」や「オモダカ類」を中心に、稲と共存できる草は極力取らずに田んぼから除去せずにあえて残すようにしています。

より沢山の種類の水辺の生き物達に、より沢山の数、田んぼに来てもらい、彼らに快適に過ごしてもらうにはどうしたらよいか・・その仕込みと段取りとは、小さな気づきの連続で成り立つと私は思っています。

『 肥料は向こうから自然と田んぼに来てもらう 』

これが無肥料栽培を成功させる最大のポイントです。

5月はとっても紫外線がきつい季節でもあります。

人間の肉体もしっかりこの時期に暑さに慣らして、夏仕様の身体へと移行ですね!

それではまた ☆

農園主