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初夏の入り口

みなさまこんにちは

遂に五月に入りましたね。

当農園では先日雨の中、恒例の三葉に育った苗を湛水した苗代に移動する儀式が執り行なわれました。

実は我々は普通育苗においては他が絶対に採用しないような相当面倒な事をやっています。

まあ物理的な問題も色々あって、このようにしないと育苗ができなかったという事情も実はあって、しかたなくたどり着いた方法といえば方法なのですが、

まず、発芽から三葉までは畑苗代で苗を育てます。そして三葉になると湛水田へ苗を運び並べ直しています。これは相当に面倒な事のですが、相当な良い苗が出来る裏技だったりします。

みのる式のポット苗の利点は色々とありますが、実は欠点も多く、うちではその欠点をこの面倒な管理方法で克服しています。

水苗代に運んだ苗は、以後自然温度で管理します。その後水管理と苗踏みを経て、6月に本田へ放たれます。

この苗移動なのですが、本当に神経を使う仕事でして、かんかん照りの晴天で作業をしてしまうと暑さで苗が枯れてしまうリスクがあり、今回はあえて雨の日を選んで作業を行いました。

運び終わった苗はこんな感じ↓

まだまだ三葉が出たところなので溺れかけていますが、ここからジャキジャキのバッサバサのごんぶと苗に育っていきます。

5月に入り、嬉しい光景も見られました。

シロヒレタビラと一緒の水槽にいたモツゴちゃん。この度めでたく産卵をいたしました!!

モツゴは地域によって模様や婚姻色に若干の違いがみられますが、オスは全体的に黒っぽくなり時にはヒレにまで黒がおよび、口の周りにはトゲ状の立派な追星が出てきます。

生後3年目以降の老魚にはあまり強く出ないのですが、最も産卵に適している2年目のオスには強くこの特徴が出ることがあります。

オスは産卵に適した場所を見つけると激しく縄張り争いをし、産卵後は捨て身で卵を守ります。

あまりにも激しい格闘が繰り広げられるので、オス同士傷ついて、この度は三匹ほど、別のオスが死んでしまいました。。それくらい激しくトゲのある追星で攻撃し合うのです。

産卵後、卵を守っているオスの様子↓

石の裏側の上部にビッシリと産み付けられた半透明な物がモツゴの卵です。

ちなみに、モツゴちゃんのメスはイセヒカリの田んぼの水口で稲刈り前に水を落とした際に干上がってしまいそうになっていて救済した個体です。

当時は幼魚だったのが、餌を沢山食べて大きくなって、この春遂にやってくれました!!

本当に嬉しい命の誕生です。

農園主